リフォーム間取りのレシピ③~磯野家の間取りをリフォーム(後編)

リフォーム間取りのレシピ

前編にて作成したサザエさん磯野家のリフォーム間取りの内装イメージと耐震診断について記事にしたいと思います。

リフォーム間取のレシピ③~礒野家をリフォーム(前編) | うまもつこ@主婦建築士の快適生活 (umamochu.com)

リビング

まずはリビングです。
リビングの隣は浪平、フネの寝室となりますので既存の雰囲気が引き継がれます。
そのため、堺となる建具は和室の長押高さとなってくるため違和感がないように今回も長押を残しました。(長押:建具の上に横にはしっている木材です)

広縁と和室との堺壁に長押がはしっているのがおわかりになるでしょうか。
この2面は柱をみせる真壁構造にしてもよいかなとも思ったのですが、吹き抜けを作成する過程で既存の構造の継ぎ目などが見えてくると予想し、隠しました。

新規で取り付ける洋風の建具は通常2mの高さなのですが、今回は和室建具にあわせた背の低いオーダーサイズにしてみました。

また、補強梁の木目もそのままみせてみました。(クリア塗装などで仕上げる)

北側吊戸棚は勝手口から冷蔵庫の上まで幅いっぱいにいれ、アイランド(ペニンシュラ)キッチンのダイニング側にも食器収納が可能です

マスオ・サザエ・タラの部屋

もともとは6帖の和室に3人で生活していたこの世帯

マスオさんってすごいですね・・・
磯野家の一員として完全に溶け込んでいるのでしょう。

そんなマスオさん、ほんの少しだけでも自分だけの空間があったらいいなという筆者の妄想により階段下の書斎が実現しました

余計なお世話ですが(笑)

1階にはクローゼットと本棚

ロフトは4.5帖+収納です
極力開放的にしたかったので、OPEN手摺です。
たらちゃんが幼いうちは転落防止としてネットなどを張ってください。

カツオ(ワカメ)の部屋

この二人の部屋は限られた空間の利用方法が課題でした。
1階が3帖、2階ロフトが2帖です。
窓上には造作の棚をつくり高さ方向の収納を充実させます。

また、梯子裏にチラリと見えているのが衣類クロークです。

耐震診断

既存の建物および、今回の計画について耐震診断をしてみました。

サザエさんの時代設定から想定すると
基礎は無筋コンクリート(下手すると大谷石などの可能性もあり)
外壁は土塗や下見板と想像します。

屋根は瓦屋根なので重い建物
劣化度は0.7(MAX)で計算します

計算してみて驚きました。
平屋建てというのもありますが、結果が悪くない!
劣化度として0.7を掛けているのにもかかわらず数字が0.8近くでておりますから・・・
この時代の建物としては優秀だと判断できます。(少なくとも筆者の耐震診断経験上ですが)

年代ごとに異なる木造住宅の耐震性 | うまもつこ@主婦建築士の快適生活 (umamochu.com)


このような造りの建物の場合、筋交い補強をするのが納まり的に難しい事があるので、今回は構造用合板による補強にしました。(真壁構造でも可能)
補強したところについては柱頭柱脚金物も設置する計算になっております。
ということで、耐力診断上はOKではあるのすが・・・建築基準法上も留意しなければなりません

ロフトを天井高は屋根勾配なりに一部1.4m以上となるで設計しましたので、基準法上2階建て扱いになってしまいます。

平屋建てが2階建てになることで、一階部分の必要壁量が15→33と二倍以上になります。

そのため現行法規に合わせるために、更に耐力壁をいれて計画することになります。
増やせばクリアできるのですが、

耐力壁を増やして天井を高くするのか、
ロフトの天井高さを1.4m以下にして、階数や面積から除外するのかは予算なども絡んでくる項目になりますよね。

まとめ

前編と後編通して磯野家について触れてみて実感したのが、磯野家は住宅としてとても優れているなというのが筆者の感想です。

間取りからも家族の一体感が伺えますし、耐震診断の結果も良かったと思います。

余計なお世話だったかなと思いつつ・・・
みんなが知っている間取りにてシュミレーションすることで、リフォームの参考になるのではと思った次第です。

ということで、みんなが知ってる間取りシリーズは第二段、第三弾も企画したいと思っております。

それではまた

リフォーム間取のレシピ④~クレヨンしんちゃん野原家(前編) 既存の間取を考察 耐震診断 | うまもつこ@主婦建築士の快適生活 (umamochu.com)

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