建築デザインを支える照明計画。
今回は簡単にできるインテリア照明の基本テクニックを解説したいと思います。
筆者は、住宅設計において照明計画をするときに、基本プラン等についてある程度検討した上で照明メーカーの方にプランを作ってもらっています。
というのも、イメージに対してどの器具を選んだらよいか・・・悩むからです。
器具にはかなり多くの種類がありますので、こちらの意図、イメージをお伝えしながらメーカーさんに配灯計画を手伝ってもらう事が多いです。
照明計画全般を解説しようと思うとすごく膨大な記事になってしまうのですが、今回は内容を絞って
最初の基本計画をする際に心掛けていることを解説していきたいと考えております。
広い部屋の計画
LDKなどの広い空間は基本的には以下の考え方で配灯しております。
①中心のあかり+②周辺の明かり+③ピンポイントの明かり
まず、ダイニングテーブルやリビングテーブルの中心を照らすあかりを計画します。
ダウンライトやペンダント、リビングについてはお客様と打合せの上シーリングライトにすることもあります。
その後、壁面を照らす周辺の明かりとデザインのアクセントになる個所にピンポイントの明かりを足すことで空間にメリハリが出ます。
ピンポイントのあかりの例としては、ニッチ、床の間、絵画や写真を見せる場所、アクセント壁面などです。
試しにリフォーム間取のレシピ野比家偏で作成したLDKで2パターンのパースを作ってみました。
照明が入ったパースは作成が難しいので、光の表現が上手にできないのですが大まかなイメージはつかめると思うので載せてみます。
最初がシーリングライトのみの計画。
最低限の配灯となっており、建売住宅だとこういった配列が多い気がします。
次に①中心のあかり+②周辺の明かり+③ピンポイントの明かりを実践したパースになります。
比べてみると同じ部屋でも印象がグッと変わってくると思います。
奥の部屋ですが、光がうまくデータで表現できなかったのですが、真ん中のダウンライトは集光タイプでテーブルをしっかり照らすイメージです。ブラケットももう少し壁面を照らしてくれてメリハリがでてくれると思います。
※中央部の明かりを真ん中に集光タイプ、外の2つを拡散タイプにすると、壁面にも光が届きつつ、スポットもあててくれます。
※Panasonic すまいのあかり設計集より引用
このように、ダウンライトの他、ペンダントライト、壁面ブラケット、間接照明などを混ぜていくとリズムも生まれます。
パナソニック(Panasonic) Everleds LED HomeArchi(ホームアーキ) Bracket LGB80551LB1 (上下配光・ライコン対応・美ルック・拡散タイプ・温白色)
パナソニック(Panasonic) Everleds LEDブラケット(建築化照明器具) LGB50287LB1 (L900タイプ・ライコン対応・温白色)
+アルファでソファーの横の低い位置にスタンド照明などを入れると更に雰囲気が出ますね
【SF251WZ】パナソニック 床置型 フロアスタンド MODIFY(モディファイ) LED(電球色) フットスイッチ付 白熱電球40形1灯器具相当
【小さな部屋の照明計画】
トイレや洗面室など小さな部屋の配灯計画は中心に1灯もしくは2灯配置するのが無難かもしれません。
しかし、そこを崩していく事でグッと雰囲気がアップします。
例としてトイレのパースを2パターン作成してみました。
一つ目はアクセントとなる壁面に集光タイプのダウンライトを配置
(パースで集光タイプを表現するのが難しいので、実際に選定した器具を載せたいと思います。)
ダウンライト LGD1031LLB1 (60形)中角(電球色)ブラック(電気工事必要)パナソニックPanasonic
もう一つはペンダントライトを隅に配置したパースになります。
様々なデザインのペンダントがありますし、ペンダントがインテリアの主役になってきますよね。
パナソニック MODIFY モディファイ LED ペンダント LGB19231WF 電球色 (引掛シーリング方式) Panasonic
【LGB15807】パナソニック LEDペンダント 天井吊下型 直付タイプ LED電球交換型 白熱電球25形1灯器具相当 電球色(2700K) LGB15805後継機種 【panasonic】
パナソニック ペンダントライト LGB16801 LED電球3.4Wx1 電球色(配線ダクト専用) Panasonic
【LGB16737】パナソニック LEDペンダント 配線ダクト取付型 ガラスセードタイプ φ250・スモークブラウン 【panasonic】
【LGB15455K】 パナソニック ペンダント デザインシリーズ 調光不可 LGB15455後継機種 【panasonic】
家具の配置に影響する照明計画
照明計画は家具をどのように配置するかが大きく影響してきます。
ダイニングテーブルやリビングテーブルの位置がある程度決まっている場合は、集光タイプのダウンライトで計画するとメリハリのある空間になります。
また、ペンダントライトを使用するとデザインのアクセントになると思います。
逆に家具の配置が明確ではない場合は拡散タイプの器具を選んでおくのが無難かもしれません。
ペンダントライトも可動ダクトレールで計画をすると、ダイニングテーブルの縦横回転には対応可能です。
LK04085WZ パナソニック インテリアダクト(ショートタイプ)
●LSK50001インテリアダクト 天井直付型 スライド 回転タイプパナソニック Panasonic 照明部材 【当店おすすめ品】
実はこの可動ダクトレール、筆者が建売住宅に住んでいた時に活用してました。
こちらの写真しか見つからなかったのですが・・・参考までに載せておきます。
(引っ越したばかりで段ボールがそのまま・・・乱雑な写真で失礼。しかもペンダントの位置が均等に整列されてい)
ペンダントの位置はもう少し低いほうが印象的になるのですが・・・子供が居るので触られたくないという理由で高めにしてあります。
これだけでも、ただのシーリングライトを設置するよりも雰囲気が出ていると思います。
因みに取り付けているペンダントはパナソニックの美ルックシリーズのペンダントになります。
美ルックについては、通常のLED照明に比べて本来の色味を綺麗に表現してくれるそうです。
※Panasonic HPより引用
PANASONIC LGB16237KLE1 [LED ダイニング用ペンダント 配線ダクト取付型 (温白色) 美ルック・拡散タイプ パネルミナ 白熱電球60形1灯器具相当]
実際にショールームにて、通常照明との比較実験をしましたが、手が10歳くらい若返ったような印象で結構感動しました。
器具の種類も色々ありますので、食事を彩るダイニングや、お化粧コーナー、アクセントになる壁面など見え方を気にするような場所ではおススメです。
【XAD1131VKCE1】パナソニック 天井埋込型 ダウンライト 美ルック 浅型7H 高気密SB形 ビーム角24度 集光タイプ ランプ別梱包 panasonic
PANASONIC LGD1310VLB1 [ 天井埋込型 LED(温白色) ウォールウォッシャダウンライト 美ルック・調光タイプ(ライコン別売) ]
【あす楽】 パナソニック(Panasonic) 壁直付型 LED(温白色) コンパクトブラケット 美ルック・上下面カバー付(非密閉)・拡散タイプ XLGB82806CE1
【平面だけを見て計画すると失敗する】
これは筆者もこれまで失敗しながら学んできましたが、平面図だけを見て配灯計画をすると実際の見え方が美しくないケースがあります。
例えば壁の長さに均等に配置したはずのダウンライト。
しかし、その壁面に開口部(ドアなど)がある場合壁面の照明が分断されてしまう場合があります。
※Panasonic すまいのあかり設計集より引用
また、エアコンやカーテンレールにダウンライトの光が当たってしまうと影ができてしまい美しくありません。エアコンからは90cmは離すのが基本です。
※Panasonic すまいのあかり設計集より引用
照明の色温度
こちらはご存じの方も多いと思いますが、照明計画の基本となる項目なので一応触れておきます。
照明器具の色の選定は3種類ものすごく簡単に解説すると
・昼光色→白っぽい光。
・電球色→オレンジっぽい光
・温白色→白とオレンジの中間の光
※Panasonic すまいのあかり設計集より引用
筆者も最近老眼が始まっておりますので、飲み屋などでオレンジが買った光の中でメニューを選ぶのがしんどいんです。
電球色の光って雰囲気があって素敵なんですけど、キッチンの手元照明やデスク周りの照明については温白色か昼白色で奨めます。(どちらかというと温白色)
また、時間帯によって快適に感じる色味が異なってくるため、リビングなどの明かりを調色タイプの器具にすることもあります。
更に色温度によって快適と感じる光量(明るさ)も異なるため調光というのもありますが、Panasonicの場合はシンクロ調光という機能を使って、色温度を変えながら同時に適切な光量に調節してくれてます。
※Panasonic HPより引用
Panasonic パナソニック LEDシンクロ調光ダウンライト XAD3100KCU1
まとめ
今回はPanasonicカタログ【すまいのあかり設計集(テキスト偏)】から画像も引用させていただきましたが、このカタログが非常にわかりやすくて、筆者も照明設計の虎ノ門的に利用させていただいております。
ダウンライトの見え方も器具の種類や壁からの距離、器具同士の距離別に写真で見え方を載せてくれており、お客様とイメージのすり合わせをするのに活用させていただいております。
ダウンライト一つとっても、拡散タイプ、集光タイプ、ユニバーサルタイプ、ウォールウォッシャーなどなど・・多くの種類があります。
器具の種類だけではなく、その配列、間隔などによっても見え方が全く異なる照明計画。
パースで表現もしきれない部分のため、悩むことも多いのでメーカーさんの提案にも頼っております。
メーカーはPanasonic、オーデリック、最近は使ってないですがDAIKOさんなど利用してました。
以前はPanasonicのショールームで実物の展示を見ながらお客様をご案内していたのですが、最近は電材部門を一般公開されなくった様子なので・・・一般の方は下のHPのほうからあかりプランをご依頼されてみると良いかもしれません。(無料です)
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