ちびまる子ちゃんのさくら家はながーい廊下の平屋建て。
友藏の部屋、縁側を残しつつ大規模リフォーム提案をしたいと思います。
今回は耐震診断ではなく、リフォームにおける換気計画の考え方も交えてご紹介したいと思います。
シリーズの記事はこちら↓↓
リフォーム間取のレシピ③~礒野家をリフォーム(前編) | うまもつこ@主婦建築士の快適生活 (umamochu.com)
リフォーム間取のレシピ④~クレヨンしんちゃん野原家(前編) 既存の間取を考察 耐震診断 | うまもつこ@主婦建築士の快適生活 (umamochu.com)
リフォーム間取のレシピ⑤~ドラえもん野比家の間取と改築案 補強案 | うまもつこ@主婦建築士の快適生活 (umamochu.com)
既存の間取を考察
早速間取のほうを見ていきたいと思います。
友藏、こたけの部屋横には広縁、縁側がつながっており、さらに開口部が2間もありますので、気持ちの良い空間ですよね。
ですが、
・台所から食事をする居間までに2つの襖を開けなければならず、配膳がめんどくさそう。
・廊下がやたらに長い
・6人家族でトイレ1つは不便
というところが気になりました。
間取改造案
という事で、上記の気になる点を改善すべく間取をいじってみました。
まずは、友藏・こたけの部屋
玄関の位置を変更しまして、玄関から部屋を近づけました。
介護が必要になった際に、動線が良くなります。
お年寄りはあまり間取りや空間が変わってしまうのを好まないことが多いですし、友藏の部屋は広縁につながる良い空間ですので、玄関以外には大きな変更を加えておりません。
トイレも近いので、夜安心ですよね。
ただ、扉は引き戸、和式便器は洋式便座に変更してます。
一部床の間を新設して、ますます落ち着く空間となりました。
玄関横に土間収納を設け、天井いっぱいに可動棚を設置しました。
土間収納のすぐ横にパントリーがあるので、お買い物帰りの帰宅動線が出来上がります。
投稿を編集 “動線を考慮しながら収納を充実させたら、家事子育てが楽にならないだろうか。” ‹ うまもつこ@主婦建築士の快適生活 — WordPress (umamochu.com)
お母さんは
玄関→土間収納→パントリー→キッチンへと
まるこは
玄関→土間収納(靴や外道具を片付ける)→ホールにて手洗い という動線になります。
(手洗いを洗濯脱衣と分けることで、動線が混雑しないようにしています)
また、キッチンとリビングダイニングは可動間仕切り引き戸で区切る可変可動スタイル。
洋風のダイニングテーブルにしましたが、ひろしやももこはゴロゴロしているイメージがあったのでゴロゴロコーナーとして小上がり畳を作ってみました。(笑)
TVを見るときのベンチとしても利用できるようにするのであれば、H370くらいの高さが良いと思います。
部屋が狭く感じないよう、ダイニングのところは高天井にしてます。
(大きな梁が見えてくると思います)
さきことももこの部屋はロフトも作りました。
平屋建てなので、屋根裏の空間を利用します。
リビングの左右で親世帯子世帯と分けてレイアウトさせていただき、それぞれトイレもご用意できました。二世帯住宅にも少々の距離感を持たせて、お嫁さんの負担が軽減できればと思います。
空気の流れを考える
これまでリフォーム間取のレシピシリーズでは耐震診断を主に取り扱ってまいりましたが、今回は換気計画について触れていきたいと思います。
リフォーム工事を行い、間取が変わったり、サッシの交換、断熱材の施工などによって建物の気密性が上がることにより建物の空気の流れが変わります。
このことを理解して計画を行わないと、
①結露を起こしやすい部屋ができてしまったり、
②好ましくない空気が居室に流れ込んでにおいが気になる・・・なんてことも
そこで、今回は一番一般的な第三種換気の計画で行う換気計画をご紹介したいと思います。
換気計画は設計する方によって考え方は色々ありますし、何を優先するかによって方針も異なりますのであくまで一例としてとらえていただければと思います。
第三種換気とは・・・排気を機械で行い、自然に空気を取り入れる換気システムです。
換気を行い、建物の空気を排出すると内部は負圧になります。
そこで、給気口から自然と空気が流れてきて、建物内部の空気を入れ替えできるようになってます。
一番多いスタイルがトイレや浴室から24時間換気を行い、居室(リビングや寝室など)に新しい空気を入れ建物全体に空気の流れを作ります。
自然給気口は換気扇の位置からなるべく対局の位置となるように配置しました。
また、間取による空気の流れを考え時に気になったことが、
キッチンの局所換気を行ったときに、靴が収納されているであろう土間収納やトイレの空気が逆流することです。
キッチンの換気扇はトイレなどの換気扇より能力が高いからです。
穴の大きさも24時間換気は100φですが、キッチンの換気扇は150φとなります。
そこで、台所の局所換気と24時間換気を分けて考えられるように
キッチンの局所換気のすぐ横に150φの給気口を配置しました。
局所換気で負圧になった空気をすぐに流入させるためです。
また、土間収納にも(念のため)24時間換気を入れてます。
というのも・・・UBにも24時間換気はあるのですが、浴室乾燥機などを使用するとその能力がなくなると聞きましたので・・浴室の換気能力がなくなったときにも流れをつくるために入れました。
浴室乾燥の使用頻度が高いようでしたら、脱衣所に換気扇をつけたほうが良いかもしれません。
生活スタイルや間取りによって、適所配置したいです。
まとめ
いつもは行う耐震診断ですが、平屋建てなのに加えて壁のバランスも良かったので、そこまで悪い数値は出ないと思い・・・今回は換気計画について触れてみました。
住宅における換気計画の主流はご紹介した第三種換気ですが、住宅の高気密化に伴い第一種換気(機械換気、機械吸気)も人気が高く、建物内の空気をより安定させる設計が行われるようになりました。
エアコン、暖房などで冷やした(暖めた)熱は捨てずに、汚れた空気だけ捨てる熱交換型の一種換気や、部屋と部屋の空気を行き来させるエアパスというのもございます。
換気計画については、まだまだご紹介することがありますので、まとまり次第別で記事にてアップします。
それではまた!
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